取調べの弁護人立会い制度では,状況によっては,真相究明を著しく困難にするが,取調べの録音・録画ではそのようなおそれはないとしています。
実際の対話に当たって,捜査官が理解と同情をもって柔らかく被疑者に問いかけ,じっくり話を聞こうとするならば,心の通い合う対話が行われることが多いから,録音・録画によって,このような対話が著しく困難になるとは思われないとしています。
もっとも,共犯者の公判で録音録画を再生されることをおそれて,被疑者が真実を話さない場合があり得るとして,録音録画を一時停止する措置を設ける必要性があるが,それ以外の場合については,実際に,公判で録音録画が再生されることは考えにくいとし,そうであれば,公判で録音録画を再生されることをおそれて被疑者が真実を話さないということもないとしています。