岡口基一の「ボ2ネタ」

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三振後の身の振り方についてby米倉明教授@戸籍時報625号51頁

教授によると,三振した後は,次のような道が残されているそうです。
1 実家の家業を手伝う
2 実業家になる(それなりの覚悟が必要)
3 司法書士行政書士等の試験を受験する
4 弁護士事務所の職員になる
5 学習塾の教師になる
6 政治家の秘書になる
なお,教授によると,新司法試験合格者ですら余っている現状から,三振者が,民間に就職の道は厳しいそうです(53頁)。
「三振者は社会から消えていく」という声を耳にし,「法科大学院に入学したことは誤算であった」という後悔の言葉が聞かれることにもなろう(54頁)としています。

もっとも,教授によると,三振者には,奥の手があるそうです。
それは,ロースクール再入学です。
司法試験法4条1項1号によると,ロースクールに再入学し,再度修了すれば,
再度,バッターボックスにたてるそうです。
このように,ほとんど無限にサイクルを繰り返すことができるから,
ロースクール生の前途には,洋々たるものがあるといえなくもない」そうです(58頁)。

さらに,奥の手として,受験を控えることで三振期間を確保しつつ,他のロースクールに再入学するという方法もあるそうです(58頁)。この方法だと,受験期間自体が,無限に途切れずに確保できるようです。

ただし,これでは,旧司法試験時代の司法試験浪人に大きく接近し,ロースクール制度を創設したこと自体の意味が改めて問われるとされています(59頁)。