岡口基一の「ボ2ネタ」

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現職判事がHPで異例の発信

「驚いた。最高裁からにらまれるだろうが、現職判事の意見表明はよいこと。」
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090711ddm041040025000c.html
この程度のことは法曹関係の雑誌などにはいくらでも書かれてますから,
別に最高裁ににらまれたりしないと思いますけどね。
それどころかこの意見は裁判官の相当多数の共通認識だと思いますけど。
まして同窓会関係の寄稿…。なんでにらまれるの何のって話になるんでしょうか。

それに高裁部総括(しかも長官代行。来年の12月には定年を迎えられるそうです。)ともなると人事局がにらんだところで
視線も届かないんじゃないでしょうかね。


「弁護士人口の増加と質の低下は必ずしもつながらない」
うんうん。人口の増加とはつながらないかも知れません。
しかし,それに伴う修習の内容の希薄化と軒弁や即独による登録後のOJTの質の低下は
質の低下に直結すると思いますけどね。
とすると結局「現在の弁護士人口増加の手段」と質の低下は因果関係がつながっちゃうんじゃないでしょうか。
これって,「弁護士人口の増加」という一般論でくくっていいことなんでしょうか。


ちなみに私も借家住まいの普通の会社員の家庭出身ですので,
「裕福な階層からしか法曹が生まれないことになりつつあるのです。」
とされる末永部長の御危惧には全面的に強い賛意を表します。
もし今なら司法試験を目指していないし,修習を受けてても裁判官にならなかった(なれなかった?)と思います。
http://www.h-lasalle.com/alumnus/alumnus.php
http://tknr.net/mt/archives/200907/11-1311.php