婚姻費用は,いわゆる算定表を用いることで,多くの事例で,自動的に計算できるようになりましたが,算定表に当てはまらないケースでは,基礎収入割合に幅があるため,審判の結果が完全には予測できない状態になっています。
今回の論文は,基礎収入割合の求め方などを示したもので,これにより,算定表にあてはまらない事例でも,婚姻費用を自動的に計算することが可能となっています(計算式については要件事実マニュアル5巻48頁参照)。他に,婚姻費用の分担の始期,有責配偶者からの請求,総収入の認定方法など,婚姻費用に関する論点が網羅的に検討されています。