改正民法　民法９４条２項類推から民法９３条２項類推へ

民法９４条２項類推の要件は、真正権利者との「通謀や共働」ではなく、真正権利者に虚偽の外観の作出又は承認があったことである。

それなのに、これまで、「通謀」を要件とする民法９４条２項が類推されてきたのは、ほかに類推すべき規定がなかったからである。

平成２９年民法改正により民法９３条２項が新設されたことから、今後は同項を類推することがより適切になるのではないかと考えられる。

＊民法９３条１項は、心裡留保につき相手方が悪意又は有過失の場合に意思表示が無効になるとする規定（＝他人の作出した虚偽の外観につき真の権利者の作出又は承認があった場合も、これに近似する）

そして同条２項は心裡留保無効が善意の第三者に対抗できないとする規定

ｂｙ佐久間毅教授＠判例時報２４１９号１０６頁

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