１０訂民事判決起案の手引（補訂版）には、
事実摘示記載例集－民法（債権関係）改正に伴う補訂版―というのがあるんだけど、
その３７頁の占有権原（賃貸借）の記載例は、昔の貸借型理論をそのまま使っているね。
「原告は、被告に対し、令和３年１０月１日、本件土地を、賃料１か月５万円、賃貸期間同日から３０年間との約定で賃貸した。」
＊このうち、「、賃貸期間同日から３０年間」という部分は、貸借型理論に立たなければ不要。
実は、司法研修所の自慢の理論であった貸借型理論は、民法学者の猛批判を浴びた。
そこで、村田渉さんが司法研修所教官だった頃に、司法研修所が、これを撤回したという経緯がある。
しかし、それが亡霊のように生き残っているのが、とても気持ち悪いね(笑)
もしかすると、今の司法研修所教官は、自分たちも要件事実教育を受けていないので、この記載が貸借型理論に基づくものであること自体、理解できていないのかもしれないね。
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