某先生
大きな柱は民法の懲戒権規定の見直しと、嫡出推定制度の見直しですが、ここでは懲戒権規定の見直しについて、簡単にご説明します。
懲戒権に関する試案は、概ね次のとおりになる見込みです(細かな文言は今後修正される可能性があります。また、細部は省略しています)。
第1点 懲戒権を定める民法822条については、次の3案があります。
【甲案】民法822条を削除する。
第2点 民法820条に、「親権を行う者は、監護及び教育に際して、子の人格を尊重しなければならない」を加えます。
第1点は、いずれも懲戒権を削除することになるので、私たち子どもの虐待問題に取り組んできた者としては歓迎すべきことですが、部会では丙案の支持が多かったです。というのは、児童虐待防止法等に体罰禁止が盛り込まれたとはいえ、やはり親子関係の基本法である民法に体罰禁止を盛り込む意義は大きいと思われるからです。
これに対し、乙案は、「指示及び指導」の概念がわかりにくく(「監護及び教育と何が違うのか?)、「指示及び指導」に不適切な養育をもぐり込ませるような解釈が生じかねないので、難があると考えています。
一方、フランス民法は精神的暴力を、ドイツ民法は精神的侵害その他の屈辱的な処置を、それぞれ禁止していることから、日本においても、何らか精神的な暴力を禁止する文言を入れるべきだという意見も根強かったです。ただ、事務当局からは、子どもが精神的苦痛を感じる場面はさまざまで、何を持って精神的暴力と言うのか、その境界がはっきりしないという指摘もありました。
第2点は、とても高く評価できると思います。
子どもの虐待問題に取り組む方々や諸団体にお願いしたいのは、ぜひパブリックコメントに対し意見を寄せていただきたいということです。懲戒権規定の削除、子の人格の尊重という、とてもよい流れになっていますが、それをより確かなものにするためには、皆さまの声がとても大切です。
個人的には、第1点については丙案を支持したうえで、何らかのかたちで精神的な暴力も禁止するべきである、第2点については賛成、の各意見をいただけるとうれしいですが、あくまで個人的な希望です。」
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