同時履行の抗弁,留置権の抗弁,単純保証の催告・検索の抗弁は「権利抗弁」と言われているけど,そもそも,権利抗弁って何?
権利抗弁について詳しくわかる論文が,坂田宏・民商法雑誌110巻6号974頁
この論文によると,
同時履行の抗弁権は,「訴訟上の抗弁権」として,ドイツ民法から継受したらしいんだけど,
留置権の抗弁は,そうではなさそうで(留置権はむしろフランス民法に近い),
単純保証の催告・検索の抗弁は日本オリジナルと言われているらしい。
ドイツ民法には,訴訟上の抗弁権についての規定が広くあったけど,そのほとんどは継受されず,日本では,「訴訟上の抗弁権」についてほとんど研究されてこなかったらしい。
で,この論文によると,権利抗弁とは、「いわば,実体法と訴訟法の狭間に位置するもの」とのこと。
歴史的には,訴訟法と実体法の未分離の時代から,それを分離した現代へと向かうんだけど,この流れには揺り戻しもあって,両者の完全な分離はできないのではないかという考え方もあるようです(新訴訟物理論などとも関連する)。
この論文が,時効の「援用」について,訴訟上の抗弁権に近いものとして検討しているのも興味深いです。
その他の今日の司法ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/3940c67f8e8f1675ee7773976a794b21007a448d
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=90269
示談金700万円私的流用 弁護士を懲戒処分 福岡
https://news.yahoo.co.jp/articles/16cc13dbc347f0e6feb970a614c8287f8aa52525
政府提出の入管法改正案に反対し,廃案を求める会長声明 栃木県弁護士会
http://www.tochiben.com/topics/topics.php?id=1423
覚醒剤密輸事件に逆転無罪 東京高裁、認識を否定
https://www.sankei.com/affairs/news/210426/afr2104260022-n1.html
最高検察庁は、4月1日に「先端犯罪検察ユニット(JPEC)」と名付ける専門部署を設けた。情報通信技術を悪用した犯罪に対応するためで、各地の検察庁の捜査、公判を支援するとされる。
石渡さんは、この動きを「ネットによる犯罪の匿名化、広域化に真正面から向き合う姿勢を示した」と歓迎している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ab2dfbcd2dc4a9c7242150ea5872b6718191c6be
俺も,匿名の「アンチ岡口」達から,執拗に,誹謗中傷され続けているからな・・