「要件事実本2.0」の時代へ
要件事実教育が司法研修所からロースクールに移行した時期に、ロースクールでの使用を念頭においた要件事実本が大量に出現しましたが、
あれから10年以上が経過し、要件事実本の存在意義も変容しているように思われます。
1 まずは主要事実を理解してもらう
司法試験での要件事実の出題がほぼなくなった一方で,予備試験ではがっつり出題されること、司法試験予備校や家庭教師が「要件事実の重要性」を煽ることで、法律の勉強を始めたばかりの大学1年生が、まず要件事実の本を読んでしまうという、以前では全く想像もつかなかった時代になっています。
初学者は、まずは、民事訴訟法の主要事実や主張立証責任をしっかり学ぶべきであり、要件事実というのは、それの限られた場面(民事判決書作成)での応用でしかないということは、要件事実本の中で、きちんと説明しておく必要があります。
そうしておかないと、主要事実と要件事実の関係も理解できないままです。今は、要件事実本は,ロースクールでの使用ではなく、予備試験のための独学用に用いられる時代ですから、ロー教員などによる補足説明を得ることもできません。
2 司法研修所説の誤りはきちんと指摘
予備試験対策であれば、司法研修所説丸暗記に走りがちなのですが、要件事実教育がローに移行したことでローの教授から司法研修所説の誤りがいくつも指摘されています。誤りの拡大再生産を防ぐためにも、司法研修所説にそのまま乗っかるのでなく、せめて、批判説を併記すべきです。
3 予備試験受験者以外にもいる読者
司法書士、行政書士など、要件事実が実際に必要な職種が増えています。予備試験受験対策的な要件事実本ばかり作るのではなく、むしろ、予備試験を受験しない読者層をターゲットにし,その読者層の民法・民事訴訟法の理解度を意識した要件事実本も増えていくべきです。
その他の今日の司法ニュース
中森明菜の新しいビジネスパートナー男性
弁護士→裁判官→弁護士
https://news.goo.ne.jp/article/tokyosports/entertainment/tokyosports-4437149.html
理由は「安倍氏だから、じゃない」 国葬に反対声明の兵庫県弁護士会会長
https://www.asahi.com/articles/ASQ9964F7Q98PIHB014.html
ソフトバンクに108億円賠償命令 郵政インフラ更新遅延で―東京地裁
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022090901279&g=eco
ごみ運搬道整備「違法」確定 東京・日野市の上告退ける 最高裁
https://news.yahoo.co.jp/articles/9f2d637bb5cdf7a48f67554340dc2d1d2879a34c
「刑事は、顔を近づけて大声で『おまえがやったんやろ!』『クズが!』『警察なめたらあかん』などと言い続けました。」
https://www.bengo4.com/c_1009/n_14977/
ステマの法規制 検討へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA073SG0X00C22A9000000/