岡口基一の「ボ2ネタ」

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裁判官3人裁判員6人へ 与党が合意

これで,裁判員制度自体の位置付けは,あくまでも裁判を行うのは裁判官であって,裁判員が国民の視点からそれをサポートするということになりましたね。今後の細かい制度設計もかかる観点から行われそうですね(例えば,裁判員は,必ずしも,裁判記録の隅々まで精査する必要はない,刑事訴訟法や刑法の最低限の知識も必ずしも必要ではない,裁判員偏向報道に触れても構わないなど)(裁判員の負担を考えると,これが現実的だと思います)。
 また,裁判員守秘義務についても,結局,課されることになり,義務違反に対しては,罰金刑のみならず,懲役刑も定められることになりました。ここもこれでいいと思います。
 なお,被告人が罪を争わない単純な事件については,裁判官1人,裁判員4人とすることもできるそうですが,裁判員になることが国民に負担を強いるものであることからすると,このような単純な事件にわざわざ裁判員を参加させること自体を再考すべきと思いますが・・。
 いずれにせよ,この制度の導入は,裁判所には大きな負担となるもので,裁判所予算の大幅な増加が伴うべきですね。