岡口基一の「ボ2ネタ」

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最高裁で3対2で無罪

裁判官出身の最高裁判事は有罪1人,無罪1人
弁護士出身の最高裁判事は有罪1人,無罪1人
キャスティングボートを握った学者出身の最高裁判事の意見で決まったという感じですね。
http://kanz.jp/hanrei/detail.html?idx=4406
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090414-00000024-maip-soci
参考:この事件の控訴審において,阿部文洋裁判長は,女子高生の証言は「具体的で疑問を差し挟む余地はない」
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20090415#1239756102

裁判員裁判の課題 まだまだ・・

「部分判決」の場合,量刑を決める裁判員は,担当していない事件を詳細に知ることがないまま量刑判断を迫られるんですね(職業裁判官からすれば,ギザ・アリエナス・・)。実際、評議でほとんど議論にならなかったそうです。


今回の模擬裁判で,一番注目すべきなのは,次の点ではないでしょうか。
「検察側は情状を考慮する証拠として、約40年前、刃物で人を殺害した前科を示した。ある裁判員は模擬裁判後の取材に対し、「聞いた途端、力が抜けた。そういう人なんだと見方が変わった」と話した。
評議では、裁判員からは「全然(殺人を)やっていない人と結果予測は違う。死ぬかもしれないと予測できたと思う」との意見が上がる。
判決後、遠山大輔・主任弁護人は「前科の説明がある前と後では、『(前科があったなんて)裏切られた』というくらい裁判員の意識に差があった。前科の持つ力を再認識させられた」と語り、米山裁判長は「前科の扱いには慎重を要すると思った」と話した。」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090412-00000207-mailo-l26