岡口基一の「ボ2ネタ」

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裁判員裁判の課題 まだまだ・・

「部分判決」の場合,量刑を決める裁判員は,担当していない事件を詳細に知ることがないまま量刑判断を迫られるんですね(職業裁判官からすれば,ギザ・アリエナス・・)。実際、評議でほとんど議論にならなかったそうです。


今回の模擬裁判で,一番注目すべきなのは,次の点ではないでしょうか。
「検察側は情状を考慮する証拠として、約40年前、刃物で人を殺害した前科を示した。ある裁判員は模擬裁判後の取材に対し、「聞いた途端、力が抜けた。そういう人なんだと見方が変わった」と話した。
評議では、裁判員からは「全然(殺人を)やっていない人と結果予測は違う。死ぬかもしれないと予測できたと思う」との意見が上がる。
判決後、遠山大輔・主任弁護人は「前科の説明がある前と後では、『(前科があったなんて)裏切られた』というくらい裁判員の意識に差があった。前科の持つ力を再認識させられた」と語り、米山裁判長は「前科の扱いには慎重を要すると思った」と話した。」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090412-00000207-mailo-l26