岡口基一の「ボ2ネタ」

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貸金業法グレーゾーン撤廃は是か非か @本日のサンプロ 

反対意見者(憲法学者)は,これまでグレーゾーンで借りていた中小企業が,資金繰りがつかずに倒産する件数が最近急に増えたことを問題視し,また,粗利が29.2%というのは通常の経済活動として暴利とは全くいえず(通常の商売ではもっと粗利は多い),諸外国と比較しても貸金の利息が29.2%が高いとは言えないと主張しています。


賛成意見者(弁護士)は,そのような中小企業は,倒産して当然であること,多重債務者が大変に困難な状況に置かれて苦しんでいることなどを主張しています。

経済学者は,規制の緩和に逆行していること,意図せざる信用収縮が起きること,ヤミ経済が栄えることを問題視しています。
さらに,この消費者ローンによる信用収縮,金融業者の経営悪化が,サブプライムローン問題の日本版にならないかという懸念も指摘されていました。

過払金返還訴訟については,司会者田原聡一郎氏を含め,やりすぎではないか,弁護士が儲かっているだけではないかという雰囲気で,議論が進んでいました。一連の最高裁判例の法理について,これが出る前になされた貸付けにまで遡及適用するのは,「法の不遡及」の趣旨から問題ではないかという指摘です。