絶望の大阪地方裁判所 - 岡口基一の「ボ２ネタ」

市民団体が，年１，２回程度の集会を開いていて、
その参加者のために、労働組合がバスを準備して、バスの利用者に実費を負担させた（電車等で移動した参加者の交通費も一部負担させている）。

すると、それが白タク違反に当たるとして、大阪府警が、労働組合の事務所のガサ入れの令状請求

こんなの白タク違反になるわけないんだから、
大阪府警は、確信犯的に違法な令状請求をしているわけなんだけど、
こういうのって、まさにむき出しの公権力による私人の人権侵害だよね

まあ、でも、公権力っていうのは、こういうことをしがちで、
そのことは、特に若いみなさんは、経験則として知っておいてほしいんだけど、

それゆえ、公権力は必ず性悪説で考えなきゃダメで、
こういう人権侵害が起きないように、令状制度というものがある。

ところが、大阪地裁刑事部の裁判官は、この令状請求を認めてしまった・・・・。

で、もちろん、捜査機関は、白タク違反で起訴するつもりなど毛頭なく
刑事事件にはならず。

なので，労働組合としては、国賠訴訟を起こすしかないわけで、
大阪地裁に民事訴訟を提起

ところが、大阪地裁民事部は、
５年も審理をした挙句に
大阪府警による令状請求は違法ではないとの判断。

まさに「絶望の大阪地方裁判所」(^_^)

その後、大阪高裁が、速攻でこれを覆して（原判決から約半年後に控訴審判決）、
ようやく令状請求が違法であったとの判断がされ、上告不受理で確定しました。

＠大阪高判令和３年２月４日判タ１４９５号８８頁

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