岡口基一の「ボ2ネタ」

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裁判員裁判で,量刑を一人で決定できる人

裁判員裁判だと,9人のうち,上から5番目に重い刑の意見を述べた人の刑になるそうです。
最後に意見を述べる人は,それまでの意見を聴いた上で,上から5番目の意見を言えば,その人の意見どおりの判決になりますね。
最後に,裁判官3人が意見を述べるようにしておけば,裁判官の連係プレーで,裁判長の意見のとおりになるなんてこともあるんでしょうか・・。
最初に陪席2人が上下両極端の意見を言えば,大体,裁判員は,その範囲の中で意見を言うでしょうから,それを見て,一番最後に裁判長が意見を言うという方法も考えられますね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090228-00000103-san-soci

その1 家事調停委員に求められること 家月61巻2号331頁
家事調停委員対象の講義を担当するときなどに使えそうです。

その2 ここがヘンだよ日本法 @NBL900号
http://www.shojihomu.co.jp/nbl/nbl090301.html

大丈夫?書記官のバイブル「裁判所職員総合研修所監修・民事実務講義案」

手形異議判決で,理由中で請求原因事実についての判断が欠落しているものがあったので,担当書記官に話したところ,裁判所職員総合研修所によるマニュアル本の記載のとおりだと言う。
そこで,その本を見せてもらうと,確かに,そこにこんな記載例が・・

裁判所職員総合研修所監修・民事実務講義案2 (3訂版)(司法協会) 242頁
手形異議判決の「事実及び理由」記載例

       事実及び理由
1 原告の請求の趣旨、原因は、手形判決記載のとおりである。
2 被告主張の人的抗弁について判断する。
  ・・・・・・
3 よって、原告の請求は理由がある。



これでは,請求原因事実について裁判所が判断しているかどうか明確じゃないので,
1項を,「原告の請求の趣旨、原因及び請求原因についての裁判所の判断は、手形判決記載のとおりである。」と修正させました。



しかし,この本は,他にも問題の個所がちらほら

例えば,243頁(3)イでは,「手形異議訴訟で、手形判決を変更することがある。この場合でも、債務名義となるのは手形判決であることに注意を要する。」とあるが,変更された手形判決が,どうして債務名義になるの?
この本は,さらに,「手形異議訴訟で、手形判決を変更する場合でも、債務名義となるのは手形判決であるから、変更判決で再度請求を認容する主文について、改めて仮執行宣言を付してはならない」(246頁ウ)と続けるが,この本自体,243頁の参考例6では、改めて仮執行宣言を付した参考例を掲げているという内容の矛盾・・。

さらに,この本は,平成18年5月に補正版が発行され,その後,この3訂版が発行されたようであるが,公示催告がなされた後には,「実務では,通常,即決で除権判決をしている」などと記載されている(222頁)。

書記官が,公示催告後に,「除権決定」ではなく「除権判決」を起案してきても,書記官の責任ではないのかもしれませんね・・・