岡口基一の「ボ2ネタ」

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読売新聞が社説で裁判員制度についての与党合意を批判

特に,簡単な事件について裁判官1名裁判員4名とする点について,批判しています。
 確かに,被告人が認めさえすれば,オウム事件や公安事件のような重大事件でも,この簡易な構成で審理してよいというのは,どんなもんでしょう・・。
 しかも,この社説が指摘するように,途中で,被告人が否認に転じた場合,どうするんでしょう・・。そこで急に裁判官2名及び裁判員2名を追加すると言っても,そんな数日間で人員が揃う訳じゃないですから,揃うまでは被告人を意味もなく勾留し続けることになります。漫然と身柄拘束する結果を容認する法律家はいないでしょう。
 また,この社説は,国民が裁判員を辞退できる基準も明らかでないとしています。朝日新聞の記事によると,仕事の都合により裁判員を辞退できるかどうかは,裁判所が個別に判断するということのようです。つまり,裁判所に「丸投げ」状態なわけですが,国民の皆さんはホントにこれでいいんでしょうか。