ア 法廷での供述に基づき審理する「口頭主義」を徹底する,審理期間を大幅に削減して公判に立ち会うだけで判断できるようにする,裁判官室で供述調書などを読み込む従来の方法は採らないそうです。
しかし,素朴な疑問なのですが,民事では,尋問時間の短縮のための「陳述書」が定着したわけですよね。口頭主義は,全部,証言させるわけですから,すごい時間がかかって,審理時間の短縮に逆行するような気もします・・。
しかも,複雑で長期化する事件では,評議の前に,尋問調書を読み返さないと,正しい判断はできないでしょうが,その際は,コンパクトにまとめた要領調書ではなく,膨大な量の逐語調書を,読むことになりそうですが(大金をかけて逐語調書作成ソフトを開発中ですので)。部分判決を経て,最終判決をする裁判員の方などは,かなり大変なことになりそうですね・・。それよりは,当事者が要領よくまとめてくれた調書で審理した方が効率的な気がしますが(その調書の採用に争いがあれば別ですが)。
イ 自白調書の任意性が争われた場合,裁判員が認めない限り証拠採用しないそうです。
これは,任意性が争われた自白調書は,原則として証拠採用しないと言っているに等しいですね。
そうすると,検察官は,法廷で,真犯人の口を割るしかないわけですが,自白がなければ有罪とできない事件は,真犯人が無罪放免になる可能性が今よりも高くなるということですね。諸外国では,真犯人を無罪にしないために,司法取引など,検察官に別の「武器」が与えられているわけですが,日本では,それもないわけです・・・。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007111102063529.html
http://s04.megalodon.jp/http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007111102063529.html