岡口基一の「ボ2ネタ」

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今日の〒 証人尋問で取調官「調書“作文”ない」 メモは廃棄

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100318/trl1003181215002-n1.htm
「調書作成にあたり書きとめたメモを捜査終結後に廃棄していたことを明らかにし、理由を「倉沢被告のプライバシー保護の観点で保管を継続すべきでないと判断した」と述べた。」
調書と違うことでも書いてあったんでしょうか。なら廃棄しちゃいけませんよね。調書と同じ事が書いてあったんでしょうか。ならプライバシー保護は関係ありませんよね。よく分からない…(´・ω・`)
そもそも証拠開示に際して開示による不利益も裁判所が最終的には考慮することになっているわけですから,本当にプライバシー保護の必要があっても,保管した上で開示裁定の際にそれを主張すべきなのではないでしょうか。そういう手だてが法的には予定されているのに検察官の独断で廃棄することが正当化できるとは思えないのですが。
現状で,サンクションがない規定によるとはいえ,規範で定立されている捜査の可視化を,警察レベルではなく,検察レベルで,しかも供述中心の証拠構造になることが十分に予定されている特捜事件でも,捜査機関が積極的に無視しているということが,今後の捜査に関する法規範の定立にどういう影響をもたらすか,考えておられないのでしょうか。
(追記)すいません,コメントをいただいたのを確認する前に記載を追加しました。いただいたコメントへの反論と言うことではなく,そもそも規定を見た上での個人的考えと言うことでご覧いただければ。