岡口基一の「ボ2ネタ」

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闘論 教員養成期間6年の是非(毎日新聞11/28)

ネットに上がっていないので以下要旨です。

安彦忠彦氏
 教師は人の「心」を育てる専門職であり,医師や弁護士と同様に専門職として扱うべき
 高学歴化する保護者の要求に対応し,対等に渡り合うためにも,教師の学歴を高度化する必要がある。
 PISA1位のフィンランドでは修士修了しないと教師になれず,教師が修士号を持ち,給与も高い専門職として社会的尊敬を得ているから。
 教員志望者は減るかも知れないが,その分本当に意欲のある人ばかりになるのではないか。
 ただし,必ず教師になれるという採用面での保障など,種々の条件整備が必要。
諸富祥彦氏
 貧しくてもガッツのある人こそいい教師になれる可能性を秘めているのに,6年制になればそうした志望者が激減する。
 大学院でいくら勉強しても教育現場のことは実際には分からない。悪戦苦闘を繰り返しながら対処していくことで教師は成長する。
 教育実習期間の延長で初任者段階では多少スキルアップして臨めるかも知れないが,それだけのために情熱があり,教師として最も成長する時期に2年間も学生生活を送るのはもったいない。
 現場の教師は要求の多い保護者や「毎日が運動会」のような学級対応ですり切れており,現場の教師のサポート体制づくりが急務。
 教職経験15年目前後の教師が1年程度大学などで学び直す長期研修制度は既に多くの自治体で行われており大きな成果を上げている。
 10年も経てば教育技術はがらりと変わり,一度学校を離れてスキルアップしたい気持ちは意欲の高い教師ほど強い。
 現場を知らない学生の養成期間を2年延ばすくらいなら,その代わりに30数年間の教師生活の中で3度くらい現場を離れて1年間程度学ぶ,現職教師の再研修に力を入れた方が遙かに効果がある。

【金曜討論】6年制教員養成 安彦忠彦氏、向山洋一
http://sankei.jp.msn.com/life/education/091218/edc0912180723000-n1.htm
向山メソッドの向山氏は「私に言わせれば、大学時代に授業のやり方や子供をまとめる動かし方について、ほとんど習っていないことが根本的な問題だ。その状態で6年やっても意味がない」

ちなみに諸冨氏は「『アントニオ猪木と10分間一本勝負できる権利』が出品された際87万円で落札し、実際に猪木と対戦した経験もある(結果は卍固めによるギブアップ負け)。」そうです(wiki)。