岡口基一の「ボ2ネタ」

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英雄など(マゼール・トスカニーニフィル)@東京文化会館

トスカニーニといえば,きら星のような巨匠達(マーラーワルターバーンスタイン・・)が常任指揮を勤めた,米国一のオーケストラであるニューヨークフィルの指揮者であり,言うまでもなく,歴史上の巨匠の1人ですが,
英雄は,そのトスカニーニの十八番だった曲です。

そして,マゼールは,このニューヨークフィルの現在の音楽監督で,トスカニーニから直々に指導を受けた,現在の,数少ない「巨匠」。
トスカニーニ・フィルは,トスカニーニ財団が設立したもので,このマゼールを中心に,厳正なオーディションにより選ばれた楽員による,2002年に出来たばかりのオーケストラ。

というわけで,この組み合わせによる,英雄が,悪いわけがないのでして,今,世界のどの指揮者オーケストラでも,これ以上の英雄は演奏できないじゃないかというくらいの,夢のような時間でした。

演奏は,トスカニーニばりの,大変に引き締まって かつ,歌わせるところは歌わせる 演奏で,弦の迫力も金管(特に3楽章のホルン)のすばらしさも,もう,圧倒されっぱなしで,しかし,マゼールは,余裕の指揮で,まさに,これは,巨匠の仕事,世界一の職人芸ですね。ちょっと退屈な2楽章も,フレーズ1つ1つに生き生きと表情があり,全然飽きません。

しかし,これだけの名演奏を奏でている楽員が大変に若く(平均年齢28歳),しかもイタリア人が8割いたせいか,みなさん,大変に明るく,にこにこと本当に楽しそうに,演奏してました。
その,学生オーケストラのような見た目と,実際の演奏とのギャップがすごかったです(^_^)。

これはホントにすごい英雄でしたが,これが,来月に来日するベルリンフィルやこないだ来たウィーンフィルの半額の値段(S席が19000円)でみれるのだから(一番安い席は9000円),大変にお得でした。なお,明日,10月24日,サントリーホールで,同じ演奏があります。

なお,上原彩子も出ていましたが,今日は,マゼールの前に全くかすんでましたね。

ちなみに,東京文化会館といえば,あのムラビンスキーが,歴史的な演奏(ベト4など 1975年)をしたところですが,そのときの写真がロビーに飾られていました(ムラビンスキーの英雄もものすごいですよ。ただしモノラル録音)。

http://www.japanarts.co.jp/html/2005/toscanini/
*↑写真はアンコール曲