岡口基一の「ボ2ネタ」

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新刊法律書籍 債権譲渡,債権担保の新動向を語る 池田真耦,加藤雅信,加藤新太郎(判タ1185号4頁)

平成11年以降の債権譲渡の判例がフォローできていない方はもちろん,おおまかには理解できている方にも,その周辺知識(ストラクチャード・ファイナンスなど),残された論点,さらには,電子債権などの新しい話題にも触れられるということで,お薦めです。対談形式で,大変に読みやすく,20頁と短時間で読める内容です。
 読む時間がない方のために,エッセンスだけ紹介します。
1 債権譲渡登記と不動産登記は同じ登記でも全く異なる。
2 不動産登記は不動産の権利関係の公示であるが債権譲渡登記は債権移転の事実の公示である。
3 債権譲渡は,危機対応型から正常業務型に移行している。
4 正常業務としての債権担保の法制度ができ,判例もこれを後押ししている。
5 将来債権の権利移転時期についてはなお争いがある。
6 今後は,債権譲渡禁止特約の効力について弱く考えていく必要がある。
7 異議なき承諾は,明確な意思表示をすることが,国際的に求められている。

http://www.hanta.co.jp/hanta/hanta-1185.htm