岡口基一の「ボ2ネタ」

2003年から続いている老舗「司法情報」ブログです。過去の司法記事の検索やリンクバーでの最新情報のチェックが便利です

共同相続を単独所有登記のケースで,更正登記ではなく全部抹消登記によるべきとした最高裁判決

最判H17.12.15

共同相続したのに相続人の一人が単独相続登記をしてしまっている場合に,他の相続人は更正登記を求めることが出来るというのが基本判例ですが,これは,あくまでも更正前後で登記の同一性がある場合に限られます。
本件は,単独相続登記をした相続人がすでに死亡し,さらにその相続人に登記が移転してしまっているケースですが,更正登記では,更正前後での登記の同一性が失われるとして,もはや更正登記はできないとした事例判例です(更正できない事例についての同様の最高裁判決はこれまでも二つありました)。

■この論点は,要件事実マニュアル上258頁に説明があります。
◆この判例は,改訂版の要件マニュアルに掲載予定です。

http://courtdomino2.courts.go.jp/judge.nsf/%24aultView/62DF5181AFB66C20492570D80026B52F?OpenDocument