岡口基一の「ボ2ネタ」

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裁判員裁判:障害ある候補者に手話通訳手配せず 高知

http://mainichi.jp/select/today/news/20100121k0000m040127000c.html
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100120/trl1001201013000-n1.htm
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081128-033595/news/20100120-OYT1T00440.htm
「帰る際に「裁判所が嫌いになった」などと書かれたメモを見せたという。」

この問題は単に手話通訳を希望していた人に筆談で選任手続をした,ということだけではなく,その後もしもこの方が選任されたときには手続を進めることは出来なかったおそれが高いという点にあると思います。手続の初日は主張手続と書証取り調べがほとんどですから,この日は話し言葉が大量に飛び交うことはなかったかも知れませんし,急遽翌日以降の通訳の方をお願いすることも出来なくはなかったかも知れませんが…。

裁判所への配慮,要望などの記入欄はその他欄的に事前質問票の中の方や後ろの方に設けられることもあると思いますが,辞退の可否が最もホットな判断対象になっているときには,辞退しない方の質問票の中の方,後ろの方は見落とす可能性が出てくると思います。こういう特記事項の有無だけでも辞退事由の有無と同じように書記官ないし事務官による第1次的な判断場面(つまり辞退希望の有無の記載場所と同じ面に)で落とすことなくチェックできる書式にすると良いと思います。特に4月には定期異動があり,担当者が交替する部署も少なからず出てくる一方で,そろそろ動く事件数が急増するはずですから,現在の体制だけではなく,人が替わってもミス無く動かせるシステム作りが大切だと思います。

裁判員裁判の事前準備徹底を 手話通訳の手配ミスで最高裁
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100121/trl1001211948017-n1.htm

わいせつ事件被告に「禁酒」条件で執行猶予判決
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100121/trl1001211835012-n1.htm
高知地裁で初の裁判員事件だったようです。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100119/trl1001191849008-n1.htm