岡口基一の「ボ2ネタ」

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民法改正:いわゆる債務転形論って否定されたの?

改正前民法では、本来の債権が履行不能になって消滅すると、それと同一性のある債権として填補賠償請求権に姿を変える(いわゆる債務転形論)ため、填補賠償請求権の消滅時効の起算点は、本来の債務の履行を請求できる時とされていた(最二小判平成10年4月24日裁判集民188号263頁)。

ところが、平成29年民法改正により、この債務転形論が否定されたため、今後は、この判例は適用されず、填補賠償請求権の消滅時効の起算点は、填補賠償請求をすることができるようになった時又はそれを知った時(民166Ⅰ)なるそうです。

内田貴民法Ⅲ146頁、松久三四彦・判時2416号125頁

 

もっとも、その一方で、改正後の民法533条には、「債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。」との文言が追加され、まるで、債務転形論を民法自身が認めたようにも思われるのだが・・

 

 

 

 

 

その他の今日の「司法」ニュース 

 

 

 

国民感情」を含めて考慮できると明確に述べてしまった名古屋地裁判決

https://digital.asahi.com/articles/DA3S14538097.html

司法研修所で、「司法権とは何か」というカリキュラムを導入した方がいいかもですね。

 

 

 

河川の氾濫の危険があるため,熊本地方・家庭裁判所人吉支部及び人吉簡易裁判所については,安全が確認できるまで庁舎内への立入りができません

https://www.courts.go.jp/kumamoto/index.html

 

 

法律事務所でも被害 九州豪雨

http://kumagawa-himawari.jp/

 

 

 

尋問期日が全然入らない東京地裁

https://twitter.com/okuboka/status/1278891154365267968