改正前民法では、本来の債権が履行不能になって消滅すると、それと同一性のある債権として填補賠償請求権に姿を変える(いわゆる債務転形論)ため、填補賠償請求権の消滅時効の起算点は、本来の債務の履行を請求できる時とされていた(最二小判平成10年4月24日裁判集民188号263頁)。
ところが、平成29年民法改正により、この債務転形論が否定されたため、今後は、この判例は適用されず、填補賠償請求権の消滅時効の起算点は、填補賠償請求をすることができるようになった時又はそれを知った時(民166Ⅰ)なるそうです。
@内田貴・民法Ⅲ146頁、松久三四彦・判時2416号125頁
もっとも、その一方で、改正後の民法533条には、「債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。」との文言が追加され、まるで、債務転形論を民法自身が認めたようにも思われるのだが・・
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