さいたま地判H17.12.26
従前の貸金債務につき利息を払いすぎていて過払金が生じていたのですが,
消費者がその後新たに借りた債務と,この過払金返還債務との相殺を認めた判決です。
相殺は,黙示の合意を認定したもので,また,過払金返還請求権は消滅時効期間が経過していましたが,この経過前に相殺適状時期があったとしたものです。最高裁判決(最判平成15年7月18日)は,一連の貸付け中のある債務の過払い分を別口債務に充当するところまでは認めていますが,
この判決では,
過払金が生じた後に発生した別口債務には充当できません。今回の判決は,過払金が生じた後に発生した債務と相殺できるとした点,及び,「一連の貸付け」とはいいにくい別個独立の債務と相殺できるとした点で,注目されます。