わかりにくくなってしまった原因として,稲葉教授は,次の点を挙げられています。
1 内閣法制局及び国会において,国民にわかりやすい法律を制定するプラクティスが十分確立していない。
2 原案作成をしている法務省民事局が,多忙すぎて,十分検討する時間がない。
3 法制審議会の学者委員とのすり合わせが十分されないまま立法化された疑いがある。
4 「規制緩和」,「選択肢の多様化」などのキャッチフレーズが法律の指導原理にされた疑いがある。
また,表現がわかりにくい例として,会社法103条,236条,2条5号,9号などを挙げられているほか,内容自体について,資本充実原則の軽視など,問題がある点を論じられています。