岡口基一の「ボ2ネタ」

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司法試験合格者削減論への反論by米倉明教授@戸籍時報630号57頁

教授によると,削減論者は,江戸時代志向(お上のお墨付き,権威崇拝)ともいうべき発想にとらわれているとされています(67頁)。
ノキ弁が事務所から報酬を1円ももらえなくても,それは,ノキ弁本人が考える問題であって,まわり(既存弁護士)が口出しするようなことではないとされています(61頁)。
そもそも,どこかに弟子入りをした場合,報酬をいただけるどころか,反対に,師匠にお金を納めるのが世の習いであるとし,ゲーテの「ヴィルヘルム・マイスターの徒弟時代・修業時代」を想起すべきとされています(60頁)。
また,弁護士の水準を保つためには,弁護士の人数を保つべきという論理は成り立たないとして,医師の人数について同様の指摘をしたミルトン・フリードマン「資本主義と自由」を紹介されています。
さらに,法曹の質の低下については,旧司法試験合格者のレベルを要求するのではなく,ロースクールで3年間普通にしっかり勉強すれば到達するレベルでよいとし,また,質の維持については,弁護士の能力についての情報公開により,能力ない弁護士が国民から見放されて淘汰されればよいとされています。

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