岡口基一の「ボ2ネタ」

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中孝介ライブ@九段会館(9月23日)

NHKの裁判官ドラマ「ジャッジ」のエンディングテーマを歌うなど,徐々に日本でもブレイクしつつある中孝介のライブ 

客層は,見事にばらばら。氷川きよしのファンのような高齢のおじさまおばさまも大変に多かったし,中孝介の同世代の若者も男女比半々くらいでいましたし・・。あらゆる世代の人がいる感じでした。

前回のライブは全曲ピアノ伴奏のみでしたが,今回は,バックバンドの演奏付きのミディアム〜アップテンポの曲が8割以上で,ピアノ伴奏のみの曲はほんの数曲でした。
トークはかなりぎこちなかったですが,これはまあまだ仕方ないでしょう。

今回の客席は,NHKトップランナーでピアノ伴奏のみの歌を聴いて感動してライブに来た人も多かったし,管理人のように前回のライブに行ったファンも,同様に,ピアノの弾き語りがメインだと思っていました。

そのギャップがもろに出たライブだったというのが正直な感想です。
バンド演奏でノリノリのステージなのに,客席は誰一人,一度も席をたたずに座りっぱなし。
中孝介が手拍子を求めても,なんと,全員座ったまんまで手拍子・・。
こんなコンサートは初めてですね・。

もっと言えば,今日のライブで,客席が感動したのは,ほんの数曲しかなかったピアノ弾き語りの曲であって,あとのノリノリの曲について言えば,高齢のおじさんおばさんだけでなく,若い客も,どう楽しんでいいのかよくわからなかったようでした。

さらに言えば,バンド演奏付きの曲において,中孝介のボーカルは,完全にバンド演奏に負けていました。音声のバランスが悪かったという音声技術面の問題があったのかもしれませんが,よく聞こえないし,とくに,歌詞が聞き取れないから,どんな歌なのかよくわからない・・。奄美流のこぶしやファルセットは完全にバンドの音にかき消されてしまっていました。
中孝介は,バンドのボーカル力(りょく)を十分に持ち合わせているわけではないですね。本人は,トークの中で,桑田佳祐にあこがれているとか,ポップスターになりたいとか言ってましたが,これじゃバンドのボーカルは無理だし,ポップスターと言われても,平井堅には遠く及ばない。このボーカルでは・・。

中孝介は,アーティストというよりは,完全な唄い人(うたいびと)なので(自分で曲を作ったりはしない),今後の方向性について決めるのは本人ではなく周りなのかもしれませんが,しかし,なんか,こういう方向でいいのだろうかと,客席はかなり疑問に感じたのではないでしょうか。

今後,ヒット曲に何曲もめぐまれれば,それなりにお客さんも満足するステージになるのかもしれません(現在では,まだヒット曲がない)。
しかし,そこそこ楽しめるステージにはなるかもしれませんが,お客さんが感動して泣くようなことはないでしょうね。


今日,客席からすすり泣きが聞こえたのは,アンコールの最後に,ピアノ伴奏のみで歌った「家路」という曲でした。


中孝介は,客を泣かせることができる希有な唄い人です。ノリノリのステージを楽しみたいのであれば,サザンを見に行けばいいわけで,客席は,中孝介には,もっと違うものを期待していると思います。

次回は,アンジェラアキがやったように,ピアノの弾き語りのみのステージを,ぜひ,期待しています。