しかも,2件です。 いずれも,積極財産の存在を認識した日から3か月が経過したにもかかわらず,諸事情から,相続放棄を認めたものです。
1件は,名古屋高決平成19年6月25日家月60巻1号97頁ですが,他の相続人が全遺産を相続する内容の公正証書遺言があったことなどが考慮されました。
もう1件は,東京高決平成19年8月10日家月60巻1号102頁ですが,積極財産の財産価値がほとんどなかったことから,相続放棄が認められたものです。
積極財産を知ってから3か月経過していれば,相続放棄を認めないという見解も,最高裁判決の解釈として,これまで多かったのですが,より柔軟に解釈する裁判例が増えそうですね。◇この論点は,要件事実マニュアル下巻282頁に詳しい説明があります。
◆これらの決定は,いずれも要件事実マニュアル3版に掲載予定です。