平成29年民法改正前は、賃借人が死亡した場合にその共同相続人らの負う賃料債務は不可分債務になるとされていました。
しかし、賃料債務は金銭債務ですから、「性質上不可分」とはいい難く、不可分債務とすべきではありません。
もっとも、だからといって、これを分割債務にしてしまうのでは、賃貸人を害します。
そこで、今後は、賃貸借契約を締結する際に、賃借人に相続があった場合の賃料債務は「連帯債務」とする旨を明記することが望ましいといえます。
また、賃貸借契約に、その旨の規定がない場合でも、賃貸借契約の合理的解釈として、賃借人に相続があった場合の賃料債務を連帯債務と認定するのが相当です。
@内田貴・民法Ⅲ(第4版)476頁(2020年、東大出版会)
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