1000万円の土地に被担保債権700万円の抵当権が設定されている。
債務者が、この土地をもって、抵当権者に代物弁済したところ、
この代物弁済が、詐害行為に当たるとして取り消された。
民法改正前は、次のように処理されていました。
取消しの効果は債務者には及ばない(相対的取消し)から、この取消しによっても,抵当権は復活しない。
そうすると、債務者に当該土地を返還するのでは、
抵当権のない土地が債務者に戻ってくることになるから、過ぎた保護を債務者に与えることになる。
上記代物弁済は、700万円の債権を1000万円の土地で代物弁済したものだから、300万円につき詐害行為となる。
したがって、当該代物弁済を300万円の限度で取り消し、
被告受益者(抵当権者)は、原告(債権者)に対し、価額弁償として300万円を支払う(最大判昭和36年7月19日民集15巻7号1875頁)。
ところが、民法改正により、詐害行為取消しの効果が絶対的取消しになったことで、話は変わりました。
上記代物弁済を取り消すと、抵当権自体が復活する(←ここが変わったところです)。
そうすると、債務者に当該土地を返還しても、過ぎた保護を債務者に与えることにはならない。
そこで、当該代物弁済の全部を取り消し、被告受益者(抵当権者)は,当該不動産の所有権移転登記を抹消し、従来の抵当権設定登記を復活させる。
民法改正前の大法廷判決はもはや維持できないということです。
@平野裕之・債権総論210頁(2017年,日本評論社)
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