岡口基一の「ボ2ネタ」

2003年から続いている老舗「司法情報」ブログです。過去の司法記事の検索やリンクバーでの最新情報のチェックが便利です

民法改正:詐害行為取消し(相対的取消しから絶対的取消しへ)

1000万円の土地に被担保債権700万円の抵当権が設定されている。

債務者が、この土地をもって、抵当権者に代物弁済したところ、

この代物弁済が、詐害行為に当たるとして取り消された。



民法改正前は、次のように処理されていました。

取消しの効果は債務者には及ばない(相対的取消し)から、この取消しによっても,抵当権は復活しない。

そうすると、債務者に当該土地を返還するのでは、

抵当権のない土地が債務者に戻ってくることになるから、過ぎた保護を債務者に与えることになる。

上記代物弁済は、700万円の債権を1000万円の土地で代物弁済したものだから、300万円につき詐害行為となる。

したがって、当該代物弁済を300万円の限度で取り消し、

被告受益者(抵当権者)は、原告(債権者)に対し、価額弁償として300万円を支払う(最大判昭和36年7月19日民集15巻7号1875頁)。


ところが、民法改正により、詐害行為取消しの効果が絶対的取消しになったことで、話は変わりました。

上記代物弁済を取り消すと、抵当権自体が復活する(←ここが変わったところです)。

そうすると、債務者に当該土地を返還しても、過ぎた保護を債務者に与えることにはならない。

そこで、当該代物弁済の全部を取り消し、被告受益者(抵当権者)は,当該不動産の所有権移転登記を抹消し、従来の抵当権設定登記を復活させる。

 

民法改正前の大法廷判決はもはや維持できないということです。

@平野裕之・債権総論210頁(2017年,日本評論社



その他の今日の「司法」ニュース

 

5月15日まで期日取消し 千葉、横浜、東京簡裁も

千葉

https://www.courts.go.jp/chiba/vc-files/chiba/2020/2020.5.1.pdf

横浜

https://www.courts.go.jp/yokohama/news/vcmsFolder_1408/vcms_1408.html

東京簡裁

https://www.courts.go.jp/tokyo-s/about/osirase/shomu/index3.html

 

 

 

『D1-Law.com 現行法規』を無償公開

https://www.daiichihoki.co.jp/osirase/d1law_free/index.html?20200430y

 

 

 

法テラスが電話、ネット相談を初導入へ コロナが生む社会問題に対応

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/605011/

 

 

 

面会交流もオンラインで

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00033.html

 

 

マンションの管理組合等における集会の開催について

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00024.html

 

 

ナイナイ岡村

おぎやはぎ、伊集院らから「無言のエール」

ラジオファンから称賛

https://news.livedoor.com/article/detail/18202300/