岡口基一の「ボ2ネタ」

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2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

弁護士会の役員になるって大変なことなんですね

某先生 「私は弁護士生活の中で1度だけ結構な金額について金融機関の融資を受けたことがあります。 福岡県弁護士会副会長を引き受けた時です。 副会長の仕事は激務なのでエネルギーの大半を費やさざるを得ません。 自分の仕事に割く時間が消えます。 既に受…

外国国章損壊罪を根拠に「日の丸損壊罪」を新設せよという主張は無理

「外国国章損壊罪(刑92条)を根拠に「日の丸損壊罪」を新設せよという主張には、解釈上かなり無理があります。同条は、侮辱目的で外国の国旗を焼いたり破いたりするなどの行為を、最高2年の懲役で処罰しています(最高3年の懲役である器物損壊罪より軽い)…

政治部門に攻撃され続ける司法

日本の司法が、政治力がないため、とても弱い立場にあり、 常に、政治部門からの攻撃にさらされていることは、 最高裁に告ぐでも詳しく説明したところです(田中角栄らによる司法攻撃) そして、その状況は、今でも全く変わっていません。 例えば、こういう…

またぞろ 国民を煙に巻こうとしている法務省

「法律の解釈変更のような重要なことは、これからは、きちんと、書面で決裁することにして、それを保存しておくことにします。」 って、そんなこと当たり前だろ() 「そういうことがきちんとできるようにするために、プロジェクトチームを立ち上げることにし…

社債に利息制限法は適用されるか

社債も、一種の借金ですから、 利息制限法による規制が必要になるような使われ方がされることもあって、 同法の適用については、下級審で見解が分かれていたところです。 最高裁は、原則として適用されないとした上で、次のように説示しました。 「債権者が…

司法は、きちんと抗議をすべきではないでしょうか。こういう言われ方に対し

自民党の赤池まさあき議員(自民党文部科学部会長) 「(法曹離れに歯止めをかける)ためには、検事は公益のために起訴を行い、裁判官は一部原発判決のような偏向した判決を出さず、弁護士は反政府的な活動をせず、コロナ禍の中で差別や偏見から関係者を守る…

こんなことする? 日本の警察・・

ひどいよな~。日本の警察って・・ どうして、こういうことを、公然とやるかな・・ 「沖縄県の東村高江周辺への県外機動隊派遣の違法性を問う住民訴訟の弁論が、那覇地裁で開かれ、県警幹部らの証人尋問があった。事前の傍聴券抽選に多数の警察官が参加した…

商標や意匠の登録をするのではなく、周知性を獲得するという手法

商標や意匠の登録をしなくても 周知表示になれば、 不正競争防止法により、強い権利性が認められる 模倣者に対し、差止めや損害賠償を求めることができます。 だから、100億円もの広告費をかけたハズキルーペ 周知性の獲得に成功しましたから、 今後は、…

保佐人弁護士 被保佐人が死亡した場合には・・

某弁護士の先生 「昨日、被保佐人が亡くなりました。 病院からは危ないと言われ続けていたので、驚きはないのですが、やはり亡くなると喪失感があります。 毎月、生活費を持参していたので、それがなくなるのかと思うと、寂しいところです。 身寄りのない方…

司法試験の次のステップは「要件事実問題集」(^_^)

司法試験合格おめでとうございます! これからの一年は、要件事実問題集をやり遂げることを目標にしてください。 ベテラン法曹は、この問題集よりもさらに難しい時代の2回試験を 難なくクリアされてきた方々です。 そういう方々と、きちんと法的な「議論」…

みなさんの勝利です!

オール弁護士会+俺+神村検察官が反対し キョンキョンやきゃりーぱみゅぱみゅなども反対した 検察庁法改正法案 (他方で,辛坊治郎キャスターや某慶応大教授などは,まさかの賛成をしていたもの) 問題とされた部分を削除し,単に定年を延長するだけのもの…

「訴訟終了宣言」ではなく「訴訟終了判決」

訴訟の終了が争われることがあります(訴訟上の和解が無効であった時など)。 期日指定がされ、審理がされ、その結果、裁判所が、訴訟は終了していたと認定した場合、訴訟の終了を宣言する判決がされます。 訴訟の終了を宣言する判決のことは、これまで、「…

遺言成立日ではない日付が記載されている遺言だけど有効

自筆証書遺言には 遺言が成立した日の日付を 記載しなければならないはず。 ところが、 違う日付が記載されていても、 遺言が有効とされることもある 平成27年4月13日に 遺言の全文,同日の日付及び氏名を自書し 同年5月10日に押印した場合です http…

押印がないことで二段の推定が覆された

民事訴訟法 二段の推定 署名により成立の真正が推定されたが 押印がないことで,その推定が覆滅された事例 @大阪高裁判決 平成30年3月8日判例時報2378号10頁 関連する契約書数通に署名して 契約締結場所に赴き 1通だけ押印をせず, 残りの契約書…

全然使われない制度 民訴法

民事訴訟法平成8年改正で新設された制度の中には、ほとんど使われてないものが結構ある(提訴前証拠収集処分など)。 文書提出命令の申立ての際の「文書特定手続」もそうだね(民訴222)。 「実務において,この手続が用いられたことは,ほとんどないと…

ようやく、問題の本質に気が付いてくれた新聞社が現われました。

ようやく、問題の本質に気が付いてくれた新聞社が現われました。 www.asahi.com 法務省と人事院が、法律の公定解釈を変更するのに、 口頭で決裁をし口頭で承認をしたなどと あからさまなウソをつきまくったのが、検察庁法改正問題 仮にウソでなかったとした…

ようやく、問題の本質に気が付いてくれた新聞社が現われました。

ようやく、問題の本質に気が付いてくれた新聞社が現われました。 www.asahi.com 法務省と人事院が、法律の公定解釈を変更するのに、 口頭で決裁をし口頭で承認をしたなどと あからさまなウソをつきまくったのが、検察庁法改正問題 仮にウソでなかったとした…

この国は法治国家なのだろうか・・

法務省と人事院が、法律の公定解釈を変更するのに、 口頭で決裁をし口頭で承認をしたなどと あからさまなウソをつきまくったのが、検察庁法改正問題 仮にウソでなかったとしたら、それまた大問題 そして、人事院が「口頭承認」というウソをつくために、 もう…

憲法の松田浩教授が、岡口分限裁判をしてしまうような現在の裁判官を批判しています

憲法の松田浩成城大教授が、岡口分限裁判をしてしまうような現在の裁判官を批判しています 裁判官をプロフェッションの一つと位置づけ、しかし現在の(特に岡口分限事件における最高裁の)裁判官統制のあり方にはプロフェッション性という前提が欠けているが…

黒川弘務さんが、要件事実マニュアルに登場していました(^_^)

黒川弘務さんが、要件事実マニュアルに登場していました(^_^) サービサーについての論文を金融法務事情1618号で書かれていて、それを要件事実マニュアル1巻(6版)670頁で引用しているものです。 その他の今日の司法ニュース 横浜刑務所で35人感染…

俺の目の前に立ちはだかる二つの障壁

俺の目の前に立ちはだかる二つの障壁 二つ目のハードルは再任拒否。 しかし、その前に、裁判官訴追委員会による訴追というハードルがあって、 実はそっちの方が深刻です。 みなさんは、訴追なんかあり得ないと考えていると思いますが、 それは、我々が、吹田…

裁判官志望が少なかった理由 岡口分限裁判の影響との指摘が相次いでいます

これはご指摘のとおりで、むしろ、過去の方が給与差は大きかったかと存じます。岡口判事の事件やそれへの最高裁の対応等によって、裁判官という仕事の魅力(修習生の目に映る魅力)が低下してしまったの「かも」しれませんね。 https://t.co/8e0VohUmBk — sh…

新任判事補 わずか66人・・

新たに裁判官に任官したのは、たったの66人 年齢分布は24~33歳で平均26・2歳。 女性は23人で、女性裁判官は計817人となり、裁判官全体の約23%になる見込み。 出身法科大学院は15校。東大の13人が最多で、京大8人、慶応大6人、一橋大…

検察庁 事務官に違法なことをさせたあげく、分限免職処分にしてしまう

違法なことをさせられた挙句 分限免職処分になった検察事務官 そして、まさかの、証拠偽造 「長く仕えた検察がここまでひどいとは、思いもしませんでした」 https://news.yahoo.co.jp/articles/c5c0f765384ede772585d1cfbfcb1feef66a31d0 その他の今日の司法…

日本学術会議の任命拒否への弁護士会の会長声明 出していないのは8単位会に

日本学術会議の任命拒否問題への弁護士会の会長声明 岩手も出しました。 これで44単位会が声明を出しており、残りは8単位会になりました また、今回も、東京第一弁護士会が最後の最後になるのでしょうか・・ (検察庁法改正のときも最後だった) http://ww…

2年で4人もの自殺者 日本の検察官

広島地検の若手検事はなぜ自ら命を絶ったのか 過去2年で4人が自殺、問われる検察組織の実態 広島地検に取材を申し入れたが、同地検の広報官は質問状の受け取りすら拒否し、「当庁からは一切、お答えいたしかねます」とするのみだった。 https://toyokeizai.ne…

町村泰貴成城大学法学部教授のご意見です

最高裁に告ぐ2」の出版について、町村泰貴成城大学法学部教授のご意見です。 裁判官の分限裁判は、特に高裁判事の場合は、一切の不服申立も独立した司法審査もない処分だけに、よほどの手続的公正さがなければ違憲の疑いが濃い。特にそれが再任拒否と直結し…

「最高裁に告ぐ2」の執筆を始めました

岡口分限決定は2回ありましたが、以下の共通点があります 1 戒告の理由とした事実の認定が誤っている 2 そもそも、その事実を認定できる証拠がない 3 しかも、その事実を戒告の理由にすることは全くの不意打ちであった 最高裁の大法廷とあろうものが、 …

離婚訴訟で調書判決はできるのか

離婚判決は、調書判決によることもできるというのが、裁判所職員総合研修所・民事実務講義案Ⅱ193頁です。その理由は、「できないという理由がないから」とのこと ところが、離婚訴訟で、被告が答弁書を提出せずに欠席した場合に、調書判決をすることがで…

民法の概念いろいろ

民法の概念いろいろ by中田裕康教授@法曹時報72巻9号1頁 1 囲繞地 民法の現代語化のためには,「囲繞地」という言葉に代わる言葉が求められるが、いまだに見つかっていない。 2 「保証債権」は、今世紀に入ってから、「保証債務履行請求権」に取っ…